2026/01/01 お知らせ
新年のご挨拶
明けましておめでとうございます。
昨年は、私が弁護士登録した2001年10月に弁護団に入って取り組んできた福井女子中学生殺人事件の再審請求事件の再審公判が開かれ、7月18日に検察官控訴棄却判決(再審無罪判決)が言い渡され、8月1日に確定しました。最終的に無罪が確定したことは喜ばしいことですが、前川さんの被害救済はこれからの課題です。
そして、冤罪被害を減らし、冤罪被害者を救済するための再審法改正は喫緊の課題です。
しかし、残念ながら現在の法制審議会の議論は、袴田事件、福井女子中学生殺人事件の教訓を無視し、むしろ再審法の改悪になりかねないものとなっています。再審開始決定に対する検察官の抗告等の禁止、幅広い証拠開示を定める「えん罪被害者のための再審法改正を実現する議員連盟」が提出した法案の一刻も早い成立が求められています。
さて、政治に関することで昨年を振り返ると、核兵器が話題になった年でした。
昨年出版され、すぐに買って読んだ「核抑止論の虚構」(豊下楢彦著・集英社新書)は、「核兵器を持てば、より安全になる」という核抑止論が虚構に満ちた空理空論であることを余すところなく明らかにしました。著者の認識によれば、核兵器の危険性は、いよいよ明らかになっています。
にもかかわらず、現在の高市政権は、国会審議においても、非核三原則を投げ捨てようという意図を隠そうともせず、また、首相官邸幹部(尾上定正首相補佐官と噂されています。)が「日本は核兵器を保有すべきだ」と持論を述べたことが報道されました。
仮に、日本が核兵器を保有した場合、「核のボタン」は高市早苗首相が持つことになります。果たして、高市首相に「核のボタン」を持たせてもよいのでしょうか。高市首相は、国会審議において、従来の政府答弁も、官僚からの事前レクチャーも無視して、「台湾有事は存立危機事態だから、日本は中国に対して武力行使する」という趣旨の答弁をして、中国との間に無用な緊張状態を生じさせました。自分の思い込みで国政を扱う幼稚な人物が「核のボタン」を持つことを想像すると、恐怖しかありません。
非核三原則は、日本の首相がどのような人物であろうと、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず、を実行することにより、世界各国に日本を信頼してもらうための日本の国是です。
また、2025年はヒロシマ、ナガサキへの原爆投下から80年でした。その節目の時期に、唯一の被爆国の政府が、非核三原則を投げ捨て核兵器保有を目指すなど、全ての被爆者に対する冒涜でもあります。
むしろ、今年こそ、日本が核兵器禁止条約を批准し、核兵器廃絶への道筋を開くことが求められています。
今年もよろしくお願いいたします。